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2012年10月2日火曜日

Möwe 1941 その3 疑問の多い部材リスト

冊子冒頭の部材リスト
少し間が開いてしまいましたが、前回からの続き。ドイツで設計されたと思しき戦前の模型グライダー メーヴェの図面についてです。

まずは左の部材リストをみてみてください。これを見ると、この模型が紹介された当時にあっても相当特殊な立ち位置の物で有ったのではないか、と考えられます。

まず第一に、部材選択の問題です。この模型では主要部材として松の角棒とベニヤが多用されていますが、これは変わっています。
バルサ材が容易に入手できないとしても、日本で模型飛行機を作る場合は棒材には竹ひごかヒノキの棒を使い、面積・体積のある部材を作成するためにはホオの無垢材等を使用するのが一般的だったと考えられており、松やベニヤを使用した、という話はあまり聞きません。

これはこの冊子から得られる情報をすべて真実だと仮定した場合、ドイツで設計された模型のため、部材選択も当時のドイツで一般的なものが使用され、そのままの形で紹介された、と考えられます。
しかし、それによっておそらく特殊な立場にある人以外には材料の入手からして難しい物であった事が想像できます。

もちろん、松は日本でも取れますが、部品表を見ると、寸法がmm単位で指定されています。建材としての松ならば当時でも入手はそれほど難しくないと考えられますが、それらはおそらく尺貫法に合わせたサイズしか用意されていなかったのではないかと思います。模型用にmm刻みの多様な寸法に製材した細い棒材を入手するのは難しかったのでは無いでしょうか。

また、合板(ベニヤ)の多用についても当時の国情に照らしてみると、無理が多いと思われます。問題は接着剤です。実はこの冊子にも組立て時の接着剤(膠着剤と表記)についての説明がありますが、当時の日本で一般的に手に入る接着剤と言えば、膠や澱粉のりをベースにした天然素材系の接着剤が主で、耐水性や耐熱性、それにおそらく強度に問題を抱えていました。その状況で1.2mm厚等と言う極薄のベニヤを大量生産できていたのか疑問です。

このあたりの当時の事情を調べるため、週末は古本屋めぐりをしたのですが、当時の事情をはっきり説明した資料には行き当たりませんでしたので、上記は想像に過ぎませんが・・・

組立てに使う接着剤についても、ドイツではRudol333という接着剤が流行しており、この模型もそれを使用していると書かれていますが、同時に
”これは先ず入手が困難でしょうから、市販の膠着剤を代用品として使用するより致し方ありません”
とも書かれています。

ちなみに、Rudol333とはどんな接着剤なのか軽く調べてみたのですが、冊子の説明では繊維質の耐水性の物、とありましたが、Rudol社のサイトにはおそらく後継製品と思われるRudolFix333についての説明があり、どうも合成ゴム系接着剤のようでした。

さらに言うと、昭和13年にはセメダインCが発売されているのですが(これも耐水性で繊維質)、この図面を紹介する時点でまだ一般的でなかった(著者が知らなかった)のか、上記のRudol333に比較して劣っているためあえて言及しなかったのかは分かりません。
瞬間接着剤やエポキシ接着剤、それに木工用ボンドも無いと来れば、セメダインCで良い(というか、それしか無い)気がしますが・・・

今作るなら普通に航空ベニヤとヒノキの棒材で間に合わせる事が出来ますし、接着剤もよりどりみどりですが、当時どれほどの人がこの指示のとおりの部材を集める事ができたのか考えると、当時の一般的な大人(どの道、子供の手に負えるとも思えないので)でも相当難しかったのでは無いかと思われます。

しかも、問題は主要部材にとどまらず、細かい部品も手配の難しそうなものが潜んでいます。リストを掲載してしまっているので見た方はお分かりだと思いますが、木材と接着剤が長くなりすぎたので続きはまた明日!

2012年9月27日木曜日

Möwe 1941 その2 本気の諸元と意表をつくかっこよさ

と言うわけでその2。
封筒の中には2張の図面と組立て説明の小冊子が一冊入っています。

ここで図面をざっと見て目を引くのが、曲線で整形された尾翼と主翼付け根のフィレット、それにリブやストリンガーの多さです。

外形もメーヴェ(=かもめ)を名乗るだけあってごく浅い上半角ながらガル翼となり、外翼後縁に膨らみのある主翼、しっかり翼断面のリブが入った尾翼、ダメ押しにかなり丸みを帯びた胴(前部で12角胴、後部でも4角(ひし形)胴)の設計を見ると、純粋な飛行模型と言うよりは、セミスケールモデルといった雰囲気です。

戦前の模型飛行機、それもソリッドモデルでなくフライアブルな模型で、ここまで細部の造作に凝った物はあまり見たことがありません。
(まあ、私もそんなに戦前の模型に詳しいわけではないですが・・・)

というのも当然、時代から言っても材料の指定は、バルサ材ではなく、冊子の指示では松の棒材(mm×mmでサイズ指定)と、リブ、胴枠用の1.2mmブナ合板、3mm合板です。
バルサ材以前の模型飛行機は、竹ひごやヒノキで作られていて骨が重いので、骨を少なくして(=角ばった形状にして)軽量に仕上げるのが普通だった、バルサを使うようになってからは骨を多くでき、形状の自由度が増した、と模型飛行機の歴史について書かれた文には大体書かれています。

つまりこれ、当時の模型飛行機としてはSF的にカッコイイと思われるわけですが、重すぎるのでは・・・

さらにダメ押し、写真中央の機体模式図を見ると分かりますが、通常の単胴形態と、双胴形態のコンパチモデルになっています。(ちなみに、図面にも冊子にも全体を描いた透視図は有りません。1/2.5の三面図と原寸の部品図のみです。)

どこまで本気なんだろうと思い、小冊子をめくると以下のような記述が

単胴型 スパン2m10cm 翼面荷重 16~17g/dm2 サーマルソアリング向け(テルミーク飛行に向くと記述)
双胴型 スパン2m58cm 翼面荷重 30~31g/dm2 スロープソアリング向け(滑空飛行に向く、と記述。翼面荷重からしておそらくスロープの事では無いかと推測)

で、いずれも独逸飛行協会模型規定のH級に相当する、と記述があります。戦前のドイツのH級については詳細が分からなかったのですが、スパンだけ見た場合は現在のFAI F1Aに相当するサイズに近いようです。

また、翼面荷重も、F1A規定では最低重量(410g)/最大翼面積(34dm2)で計算すると最低でも12.05g/dm2、実際にはもう少し荷重を掛けるとして、単胴型は結構近い線です。

さらにダメ押しでこんな事が。

”飛行性能は、両ソアラーとも極めて優秀であって、ゴム曳航で高空において離脱させた場合、3分ないし5分の滞空時間が得られます。”

ええええ?ほんとですかそれ?ベニヤと松で作ったグライダーが、ほぼ同規模の機体として現代の複合材料で作られたグライダーと結構良い勝負をするって事?

だいぶ下駄を履かせているというか、大げさに書いているんじゃないかとは思いますが、鼻息の荒さからして飛行性能は二の次でカッコイイ模型という方向の物でも無いと、どうもそういう事らしいです。

どれぐらい下駄を履いているのかは作ってみれば分かる事とは言え、スパン2m級のグライダーを精確に作って飛ばすというのは結構な難事業です。しかも材料が松材・・・?ん?松材?

という事で、次回、材料についての考察につづく

2012年9月26日水曜日

Möwe 1941 その1

メーヴェの図面を入手しました。
といっても、風の谷のナニガシが乗り回していたアレではありません。本格的な模型グライダーの設計図です。ずいぶんと古びた封筒ですが、事実、とんでもなく古いです。

どれぐらい古いかと言うと、中身の小冊子によると、発行年月日は昭和16年9月20日とあります。
昭和16年と言えば、1941年。この年12月6日に、日本は真珠湾攻撃を行い、太平洋戦争に突入して行きます。つまり、戦前も戦前、ほぼ開戦前夜に発行された”模型飛行機の設計図”です。

この頃の日本はドイツとのつながりが強く、特に航空技術の面ではドイツを目標としていた点が多かったため、この設計図もドイツで製作されたものを日本で紹介する、という形になっているようです。
小冊子の冒頭を引用すると、

”碧空をテルミークを追って快翔するソアラーは、何かしら我々に空気力学や気象学の息吹を身近に感じさせるような気がします。この魅力は、スケールをそのままで唯寸法のみを縮小した模型ソアラーにも当然求められるのではないかと思われます。模型製作と深遠な航空科学の一端に触れると言う二重の喜びをもって、諸君がそれぞれ独創的なソアラーの製作を始められる事は、大空に生きる青年の最大の歓喜の一つでなくて何でありましょう。
しかしながら、その場合熟練者は別として、一般の方々には、何事でもそうであるように、まず基本となる優秀な模型ソアラーをその設計図を見ながら制作される事が必要であると考えます。その意味で、弊社は盟邦独逸におけるその道のエキスパート、ハインツ・ザールフェルト氏設計になる高評嘖々たる高性能ソアラー”メーヴェ”を選び、その設計図ならびに作り方を御紹介する事にしました。”(旧漢字・旧かなのみ現代語に置き換え)

うわ、なんか仰々しい!けどこの時代特有の雰囲気ですね。ここで目を引く点は、少年ではなく”大空に生きる青年”に呼びかけているらしいと言う点と、最初に出てくるソアラーが実機を指しているらしいという点があります。これって、つまりパイロット候補生向けと言う事なんでしょうか?
当時の学校教育では今からは想像できないほど熱心に模型飛行機に取り組んでいたので、単に一般の青年に向けられた物なのか、大空に生きるという特殊な立場にいる青年に向けられた言葉なのかはいまいち判然としません。

また、テルミーク、とはあまり聞きなれない言葉ですが、これはおそらくドイツ語でthermisch、英語で言えばthermal、つまりサーマルの事のようです。
またメーヴェ、という名称ですが、これはドイツ語でかもめという意味で、グライダーにつける名前としては比較的ありきたりと言うか、順当な所ではないでしょうか。

取り合えず今日はここまで。明日以降内容を紹介して行きます。

2012年8月2日木曜日

航空公園でテストフライト

出来たよー、と言ったきり、なかなか飛ばしにいけないでいたGuillow's P-40ですが、今日は天候がよさそうなので例によって所沢の航空公園にテストフライトに行って来ました。

10時頃に公園に着くと、常連さんとおぼしき方々がライトプレーンを飛ばしています。ほとんどがA級(小型タイプ 翼幅50cm以下)ですが、みなさんデサマライザーを装着しています。

公園内は程よく風も穏やかで、サーマル(上昇気流)が多数発生しているようです。

私も取り合えず気流を見るために、P-40とは別に持参したWhiteWingsのRacer590を何度かカタパルトランチしてみましたが、信じられないほど強力にサーマルを捕らえてしまい、2分以上の滞空の後、場外の林に吸い込まれてしまいました。

カメラは持っていたのにムービーに撮れなかったのが残念・・・機体のロストも残念ですが、胸のすくような飛びが見られたのでそれは帳消しにしましょう。また作れば良いしね。

ちなみに、風の強弱については、気象庁のサイトでアメダス(風)のページを見ると左のように細かく風速が表示されるので、これをアテにして飛行場に赴く事になります。
模型飛行機を快適に飛ばすには、風速3m以下程度だと良いですね。

で、本題のP-40ですが、機体を取り出すと常連さんたちが声を掛けてくれました。
「おー、綺麗に塗ってあるねえ。ピーナッツ?」
「いや、ピーナッツよりは大きいですね。アメリカのGuillow'sという所のキットです」
「重さはどれぐらい?」
「27.5gぐらいですね。相当軽量化したんですが」
「うーん、そりゃあちょっと重いなあ。ゴムは?」
「FAI3.2mmの一条です」
「ちょっと弱いんじゃないかな?ペラも小さいし」
「なるほど」
「もうちょっと太いゴムがそこの売店で売ってるから試してみたら?」

え、公園の売店でFAIラバー?と思って覗いてみると普通に売ってました。4.7mm~1.6mmまで各種。とりあえず4.7mmを購入してゴムを交換してみました。

が、滑空姿勢は良いのですが、やはりいかにもパワー不足らしく、400回巻きでもあまり上昇しません。
普通の模型飛行機のつもりでダウンスラストを付けすぎたのも良くなかったようです。低翼機ではパワーが掛かったときの頭上げが小さいんですね。
さらに痛い事に、調整用に用意した透明タブなど一式を家に忘れてきてしまったため、旋回調整もままならず、無理に上方に投げ上げて何度か垂直落下した結果、プロペラ軸受けを保持している部分が傷んでしまったため、引き上げる事に。

ただ、重すぎるという指摘も正しいようで、何度も地面に激突している割には、カウリング保持部以外は骨折一つ無く、強度過剰気味だな、というのは分かりました。

が、それ以前の問題として、ハードケースが用意できなかったので、大き目の手提げ袋に入れて電車で移動していたのですが、なんと帰りの電車内で機体がクラッシュ!修復不可能ではないですが、移動中に壊れるのはちょっと辛いので、やはりハードケースは作るべきでした。

取り合えずより軽量化した新機体とハードケースの製作をしないとですね。ハードケースはプラダンとかで作るのがいいかな・・・

それはそれとして、航空公園は航空自衛隊入間基地が近いので、基地にアプローチする機体が低空飛行している様がよく見えます。今日はC-1、YS-11、T-4等が見えました。写真は飛行点検隊のYS-11がフラップ全開、ギアダウンで着陸に向けて旋回中です。
撮影データとしては330mm相当のズームレンズのテレ端で、一回りトリミングしたぐらい、と言えば写真をやってる方にはどの程度の大きさに見えるか伝わると思います。

なんて事を半日やってましたが、家に帰ってみると腕や顔が真っ赤に日焼けしてました。これはかなりヒリヒリしそうだ・・・今度からは日焼け止めを塗ったほうが良いですね・・・

2012年7月27日金曜日

おぅ・・・

Twitter落ちてますね・・・

(2012/07/28追記)
原因発表来ましたね

ツイッター、大規模障害で謝罪=サッカー勝利つぶやけず-ロンドン五輪〔五輪〕
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2012072700858

タイトルと異なり、実際にはタイミングがたまたま被っただけで、イベントに伴うツイート集中で落ちたわけではないようです。鯨の絵も出なかったしね。

一応サイドバーにも乗せていますが、@hishyou_douでtwitterやってます。良かったらフォローしてみてください。

Guillow’sのキットをモデラーでもなんでもない奴に押し付けてみた。

一人で作ってばかり居ると、すっかり慣れてしまって普通の人が向き合ったときにどこで引っかかるのか分からない!
と言う事で、友人KにGuillow'sのキットを押し付けて反応を見てみる事にしました。
相手は、模型やフィギュアには多少興味があるが、飛行機の事はさっぱり。ましてプラモデルや完成品以外の模型となると帆船模型なんてのがあるねえ。親父が作ってた。ぐらいの人です。

いきなりキットだけ渡して”がんばって!”と言うのも不親切すぎるので、ハンズで組立てに必要な部材を調達後、某所のファミレスにてキットを開帳して説明してみました。
キットはGuillow's 504 Spitfire Mk.I。既に紹介済みのP-40と同じシリーズで、スパン419mmのキットです。


まずはハンズでキット作成に必須の道具や材料の調達ですが、取り合えず以下の物品をそろえてもらいました。
1・デザインナイフ
2・A3サイズのクリアファイル
3・サンドペーパー 中目セット(#240・#320・#400)
4・サンディングブロック
5・マスキングテープ
6・アクリルクリア塗料(プラカラー)*2
7・模型用塗料筆セット


その他、瞬間接着剤(サラサラタイプのオーソドックスな物。機体組立て用)と木工用ボンド(紙貼り用)も必要ですが、それは100円ショップで調達する事に。
あとカッティングマットもあると良いけど、最悪古雑誌の上で切れば問題ないかと思い今回は無しで。
表面に貼る紙はキットにも付属してますが、サービスでエサキティシュ(プライスパン)を一枚付けて渡しました。

以下、開帳の様子。

まずはキット内容。ダイカットされたシートと、シートに切れ目を入れたバルサ棒のセット、プラ板をバキュームフォームしたノーズカウルやエキゾースト、キャノピー、スピンナー、主翼下面のラジエターやオイルクーラーのパーツ、それにプロペラ周りの軸やベアリングの説明から。

K「え、これ図面だけ?組立て手順とかは無いの?」
H(私)「いや、それはこのHow To Build and FLY A BALSAMODEL AIRPLANEという冊子に作業手順が書いてあるよ
K「英語じゃん」
H「今日本語訳用意してるって。大体君英語読めるだろ?それに作業工程や注意点はBlogにアップしてるからそれ読んで」
K「ふーむ。この図面を見ただけだとどういう物が出来上がるのか分かりづらいな・・・」
H「まあ、それはほら、図解もあるし、うちのBlog見てよ」
K「うーむ・・・この図面どう読めば良いんだ?」
H「原寸図だからこの上で直接組み立てれば良いんだよ。クリアファイルに図面をはさんで、クリアファイル上に部品をマスキングテープで仮止めして、瞬間接着剤で小骨を接着していくわけ」
K「なるほどねえ・・・」
H「あ、ちなみにキットの部品はあらかじめカットはされてるけど、図面と多少寸法が違う場合があるから、ナイフとサンドペーパーで図面に合わせて整えてな」
K「マジかよ!キットってかほとんど工作じゃないか」
H「まあ、バルサ材は柔らかいからさくさく削れるし、そんな大変でもないよ」
K「うーむ、そうか。ところでこの塊(サンディングブロックの事)はなんに使うんだ?」
H「サンドペーパーで表面を均すときは、サンドペーパーをこのブロックに巻きつけて使うのだ。そうすると、均等に上手く削れる」
K「なるほどなあ。まあ、やるだけやってみるわ。しかしこれ、ハードル高いなあ。」
H「どのあたりが?」
K「図面だけだと立体になったときに感じが分かりにくいよ。プラモみたいにこの部品とこの部品をはめ合わせて、みたいな手順がぜんぜん書いてない。あと、パッケージが絵だからどんな物が出来るのか分からん」
H「うーん、そのへんは俺もちょいちょい整備していく予定だ」

と言うような感じでなかなか手ごわいという感触だったようです。取り合えず完成まで作ってもらって、難しかった部分等を教えてもらったらその辺りを重点的にBlogで解説していきたいと思います。

2012年7月21日土曜日

模型飛行機の製作で重要な事 2:軽く作れば良く飛ぶ、その理由

前の記事では、模型飛行機を作る際に重要な事として重量の削減を挙げましたが、そもそも飛行機はなぜ軽くなくてはいけないのでしょうか?

飛行中の飛行機には、左の図で示した4つの力が働いています。
機体を加速させる推力、機体を減速させる抗力、機体を持ち上げる揚力、機体を落下させようとする重力が4つの力の正体です。

このうち、推力と抗力、揚力と重力が釣り合っている場合に、飛行機は水平に一定速度で飛行できます。

これが飛行機が飛ぶ、という事です。

重力と抗力について言えば、この力は飛行機でない普通の物体、たとえば石ころを投げた場合でも働いていますから、飛行機がそれ以外の物と異なるのは、抗力と重力に対抗できる推力と揚力を発生させる事ができる点にあります。

基本的に推力はエンジンやプロペラ等の動力によって決定され、揚力は速度と翼と迎え角によって決定されます。さらに抗力は速度と迎え角と機体形状によって決定されます。


しかし、重力については他の要素とは関係無しに、機体重量のみに決定されます。

フリーフライトの模型飛行機では、飛行中に推力や迎え角を変更する事は難しいため、飛行前の調整のみによって推力、揚力、抗力を決定する必要がありますが、これと釣り合う力としての重力は、重りを追加する事で増加させる事は可能でも、飛行前調整の段階で重量を削減する事は容易ではありません。

また、重力が大きければ、大きな揚力が必要となり、大きな揚力は大きな抗力を発生し、これに対抗するために大きな推力を必要とし、大きな推力を発生させるためには強力な動力が必要になり、重量が増す、という様に、非効率の輪にはまり込んでしまいます。これでは限られた推力で飛行する、という目的は達成できません。

このため、模型であっても実機であっても、飛行すると言う目的を達成するためには、製作段階で可能な限り軽量に機体を作る必要があります。

軽量な機体を作るためには、骨組みその他の部材になるべく軽量な材料を使用し、必要な強度を満たした上でなるべく細く、薄くする事が求められますが、墜落や衝突に耐えるほどの強度を想定してしまうと重量が増し、墜落・衝突時の衝撃も増すのでさらに強化が必要となり、するとさらに重量が増し・・・とまたしても非効率の輪にはまってしまいます。このため、基本的には飛行に必要な最低限の強度を狙って軽量化していく事になります。

この強度の確保については、工学的に計算する方法もあり、実機では厳密に計算されていますが、模型飛行機の場合は部材であるバルサ材自体の強度も一定ではなく、また小さな部材を手作業で組み立てて行く都合上、厳密な強度計算ではなく、これぐらいなら大丈夫だろう、という勘によって決定される場合がほとんどです。

このため、何機も作っては飛ばし、壊しては直しで勘をつかんで行く必要があるわけです。しかし、一から自分で設計する場合と異なり、キットを組み立てると言う形であれば、既に大筋では最適に近い設計がなされているため、そのまま作ればたいていの場合は飛行可能な重量に収まるはずです。

とはいえ、組立てキットであれば更なる性能向上を求めて軽量化や強化をする事も製作者に任されているとも言えるので、ここに手を加えてさらなる性能向上を図ることが模型飛行機製作の醍醐味の一つと言えるでしょう。

2012年7月20日金曜日

模型飛行機の製作で重要な事 1:重量の削減

Guilow's P-40の製作もひと段落して記事の更新が滞っていましたが、しばらく模型飛行機一般についてのお話をしたいと思います。

まず、今回は重量についてです。

飛行可能な模型飛行機、特に動力の限られたゴム動力機やグライダーでは、良く飛ぶとは滞空時間が長い事を指します。

ラジコン飛行機などは、バッテリーや燃料の続く限り飛行を継続できます(もちろん、墜落させない腕が有っての話ですが)ゴム動力はそんなに長時間動力を供給する事はできませんし、パワーも非常に限られています。
また、グライダーに至っては、発進時に手投げまたは曳航、あるいはゴムによるカタパルト(パチンコ/スリングショットのようなもの)で与えられた初期加速と、重力による滑空速度の維持だけが頼りです。

このため、限られた推進力を最大限に活用し、初期動力が尽きる前になるべく高度を稼ぐ必要があるフリーフライト模型飛行機は、重量を可能な限り軽くする事が要求されます。

ただ勘に頼って軽量化するのもそれはそれでひとつのやり方ですが、最近はAmazonなどで超精密はかり(0.01gまで計測可能)が安価で(2000円以下)入手できるので、この前作成したP-40と、対象としてWhiteWingsの大型機であるRacer590を計量してみました。

これが超精密はかりです。このはかりは本来宝石などの重さを計測するための物のようで、非常に小さく、マッチ箱程度の大きさしか有りません。
このままでは飛行機を載せるのには余りにも小さいため、簡易スタンドをスクラップバルサで作成しました。

スタンドの重量は、風袋機能で相殺できます。スタンドを載せた状態で0点出しをしたのが左の写真です。物差しも写しこんだので大体の大きさも分かると思います。

まずはGuillow's P-40の計量です。
Guillow'sの機体は重いため、余り良く飛ばない、と言うのが定説ですが、ポイントを抑えて軽量化する事でバラストなしで重心を取ることが出来たので、動力ゴム込みの全備重量で27.75gと比較的軽量に製作できました。スパン419mmの機体としては合格ラインではないでしょうか。
もし、尾部を軽量化しないで製作した場合、重い尾部との釣り合いを取って、重心位置を適正化するためノーズカウル内にバラスト重りを搭載する事になりますが、設計上の重心位置はかなり機体の前寄りなので、重心位置からの距離が近いノーズにバラストを積んで釣り合いを取るためには、テコの原理により尾部の重量超過分の3~4倍のウェイトをノーズに搭載する必要があります。
ウェイトも機体重量の一部ですので、なるべくバラストを減らすことが重量軽減の上で重要ですね。機体重量が軽ければ、パワーが有効に使えるだけでなく滑空時の沈下率も抑えることができます。

元設計では軽金属製とはいえ金属の重量物である小型エンジンを搭載する事も考慮に入れたキットなので、エンジンやモーターを搭載する前提なら尾部の軽量化はそれほど必要ないかもしれませんね。

今回の軽量化では、ゴム動力前提のため尾部を5g程度軽量化したことで、機首のバラストを15g程度削減でき、さらに脚を省く事で5gは軽くなっていると思います。合わせて25g程度の重量削減です。
つまり、普通に組む場合と比較して、重量は半減するところまで持っていけたわけです。これは飛行が楽しみですね。これがGuillow'sのキットか?という飛びが期待できそうです。

ついでに比較対象として、WhiteWings(ホワイトウイングス)の大型機、Racer590も計量してみました。この機体はスパン268mmとGuillow'sのキットより一回り小さく、WhiteWingsの機体としてはかなりの大型ですが、対空競技用のグライダーなので構造も非常に単純化さています。
しかし、重心あわせ後、実際に計量すると、17.11gもありました。
接着剤(この手のキットはセメダインCに限ります。張り合わせ直前に指で伸ばしてから素早く圧着するのが味噌)が生乾き状態ですが、まだクリアでコートしていないのでこれは飛行コンディションの重量に近い物でしょう。

Guillow's機はこれだけ複雑な構造を持ち、弱いながらも動力も搭載し、しかもサイズも一回り大きいにもかかわらず10g程度しか差が出なかったと言うのはなかなか満足すべき結果だと思います。

ちなみに、WhiteWingsのグライダーは、Guillowsのキットを飛ばす際に、風を見るために使用しますので、飛行場には両方を持って行き、まずはグライダーで風向きを見るために作成しました。

製作も簡単ですし、ロストしても単価が安いので余り心が痛みません。無くしたらまた作ればいいですしね。それに墜落してもたいていの場合は平気です。

ちなみに、過去WhiteWingsのキットはAG社が扱っていましたが、今はAozoraという会社が扱っており、一事の品不足は解消しているようです。
AOZORAのサイトはこちらになります。
Amazonでも購入可能です。

いきなりスケールモデルは敷居が高そうと言う方は、是非WihteWingsのグライダーキットを購入してみてください。一晩で製作でき、調整が決まれば30秒以上の滞空も可能な高性能機ぞろいですよ。

2012年7月4日水曜日

機体格納庫ページを作成しました。

Blogという仕組みの関係上、製作レポート等が複数回に渡るとどうしても過去の記事が見づらくなってしまいますので、機体格納庫ページとして機体ごとに記事へのリンクをまとめたページを作成しました。
製作済み機体格納庫
多分読みやすくなったと思いますが、見づらいぞ!という点がありましたら教えてください。
また、このページはいつでも画面右上のリンクから参照できます。
以上、お知らせでした。

2012年7月3日火曜日

Guillow's カーチス P-40 ウォーホーク 一応完成!

一応、というのはフリーフライトモデルとしてはこの後飛行調整が必要だからですが・・・

外見に関しては一応完成しました!

やはりマーキングが入るとそれらしくなりますね。
別の角度から。
空中線(アンテナ)は支持ポストだけにして張り線は当面無しで。どちらにしても飛ばしたら間違いなく無くしてしまうんですが・・・

主脚格納庫の張り出し(ナックル)はキット図面に指示が無いし飛行には間違いなくムダなので省略。機銃は図面にOptionalと指示があるのですが、飛ばす事を考えると・・・省略!

脚は脚ドアとユニット化して両面テープで仮止めしてるだけです。飛ばすときは外します。

反対側。このころの米軍機って主翼の国籍マークが片面に片側づつしか無いんです。左翼上面と右翼下面ですね。

スピンナーが曲がって見えるのは一応サイドスラストとダウンスラストを付けているからです。図面には指示が無いのですがそれぞれ2~3度右下へ。

重心位置は機体後半の軽量化が功を奏してバラスト無しでほぼ図面の重心位置に来ました。主翼前縁から翼弦長30パーセント程度ですね。

以上、Guillow's カーチス P-40 ウォーホーク 完成!

2012年7月2日月曜日

Guillow's カーチス P-40 ウォーホーク 主翼フィレット

さて、いよいよ最後の鬼門、主翼フィレットの取り付けです。

取り付けといっても専用パーツがあるのではなく、”フィレットの型紙”が図面に書かれているだけです。

そもそもフィレットとは、胴体と翼を滑らかにつなぐ曲面形状の物で、一枚の紙を切り抜いてカーブに沿わせるのはいくらか無理があるのですが・・・
こんな型紙が図面の片隅に。2枚必要、とあるので2つ切り抜きます。

このキットは主翼フィレット以外にも後部キャノピー部、後部キャノピー内部も紙から切り抜いて使え、と指示があります。

一応紙の指定はLight Cardboardとあるのでケント紙辺りが順当かと思うのですが、どう考えても曲げられない気がするのでコピー用紙を使用します。
主翼後縁根元にバルサ部品のフィレット根元を接着します。一応ここはダイカットされたパーツがあります。
で、さっき切り抜いた紙をえいや!と貼り付ける。と。
これはもう、コツとかそういう問題以前ですね。実際は竹串の先に接着剤を少量つけては押さえ、を繰り返して先端まで貼って行きます。

苦労のわりにはあんまり見栄えがよくないのが悲しい・・・

でも、このキット自体の設計が1962年。50年前のキットですからね。こんなもんかなあ。という気もします。

でも他のパーツではバキュームフォーム多用してるのに、何でここだけ・・・という気もしますが。

さて。次回はデカール貼ってとりあえず完成です!

Guillow's カーチス P-40 ウォーホーク 塗装と組み立て

更新の間がちょっと開いてしまいましたね。さすがにスプレー塗装の間は余りカメラを出したくなかったので・・・

というわけで、基本色の塗装と機体の組み立てが完了しました。

塗装はタミヤのラッカースプレー、組み立てにはボンドウルトラ多用途SUを使っています。

細かい仕上げはまだですが、結構良い雰囲気じゃないですか?

おなか側もちらり。翼の下に微妙に胴体がある所が曲者で、主翼の下にこういう物がある機体は作るのが難しいです。

図面も途中で力尽きたかのようにテキトーになってました。
大戦機ということで、キャノピーの枠は塗装で表現する事になるのですが、このキットに付属の透明バキュームキャノピーは、はみ出た塗料をシンナーでふき取ろうとしたらかなり白濁してしまいました。
とりあえず上からクリアを塗ってごまかしてますが、ちょっと汚くなってしまいました。

動翼のラインは図面を切り抜いてガイドにし、極細サインペンで描いてます。
おなか側。翼下面が平らなのがよく分かると思います。スケール機とは言っても翼断面はこのサイズで飛行するのに適した形状にデフォルメされています。

また、実際に飛行可能な模型飛行機には付き物ですが、尾翼類が本物よりかなり大きめにデフォルメされています。

ちなみに、後ろのキットの箱が幅38cmです。
バキュームフォームのエンジンカウルと胴体の接合ですが、Guiliow'sの500シリーズではバキュームフォームのカウルが若干胴体より大きめになっていて、スポっとかぶせられる物だとばかり思っていたのですが、このキットのカウルは若干胴枠より小さく、かぶせることが出来ませんでした。

そこでカウル内部にスクラップバルサでステーを組んで、ベルクロ(マジックテープ)どめにしてみました。上の写真でなんとなく隙間大目に見えるのはこのせいです。

さあ、残りはGuillow'sのキット最大の難所、主翼フィレットです。なんと骨組みなしの紙だけでフィレットを再現しなければなりません。一応型紙はあるものの、これはどうしたものか・・・

その後は脚関係、アンテナとデカール貼りという所ですね。その前にフィレットを何とかしなければ。うーむ・・・

2012年6月28日木曜日

Guillow's カーチス P-40 ウォーホーク 下部胴体と脚関係

作業もだんだん細かいところに入ってきました。今回は下部胴体と脚関係です。

下部胴体というのは何かというと、P-40の場合主翼が胴体の下側や上側ではなく、胴体を貫通する形で取り付けられているので、主翼より下の部分については別パーツになっているわけです。

わけですが・・・
主翼の下面から胴体下部につながるパーツなので、ようは接合面が平らではないわけです。

しかも、図面の指示はきわめてテキトー。これは現物合わせじゃないと出来ないぞ、という事で紙貼り後までやらないで置いたのです。
で、一応なんとかでっちあげてはみたものの・・・
正直、出来上がったら一番近くで見てほしくない部分かもしれません。
私の読み方がおかしいのか、胴枠がひとつどうやってもつかなかったし・・・
さらに参ったのが尾輪です。キットとして用意されているのは上の一枚もののパーツと、脚ドア用の板が2枚だけ。

さすがにこれは・・・
つけたまま飛ばしたら間違いなく一発で破損紛失なので、脚なしにするかとも思ったんですが、展示用には脚があったほうがいいよなあ、という事で、バルサ棒を追加して軽くディティールアップしたのが下側。
うーん・・・やらないよりマシ、の世界だなあ・・・
で、胴体下面尾部には当然脚格納庫は無いわけですが、とりあえず展示時には両面テープかなにかで仮止めでも出来れば、という思惑で尾脚周りをユニット化してみました。

まあ、キット通りよりはマシ・・・になったのか?





あと、写真は無いですが、やっぱり主脚もタイヤこそプラスティック製のものが付属しますが、脚柱がバルサ板一枚で、これもやはり飛行には適さない代物なので、取り外し式にするとともに材質を竹串に置き換えて少しだけディティールアップしてみましたが・・・

ま、雰囲気です。雰囲気!<自分に言い聞かせてる

2012年6月27日水曜日

Guillow's カーチス P-40 ウォーホーク カバーリングの修正と胴体のカバーリング

前回の紙貼りでは、翼端にシワが残ってしまったり、尾翼が反ってしまったりと、いくらか修正が必要な状態です。

今日は、これらの問題の修正と胴体の紙貼りを進めました。








まず、翼端部分の紙だけをはがすためにはがしたい領域とはがしたくない領域の境にある小骨部分の上からクリアラッカーをしみ込ませます。

翼の紙貼りでは、外周部位外はノリ付けされていないので、この処置をしておかないとはがしたくない部分まで浮いてしまいます。

クリアラッカーが乾いたら、デザインナイフで切れ目を入れてはがします。
一気にはぐとつながってる部分が引っ張られて被害拡大・・・という事もありえるので、ここは慎重に。
新しい紙を貼って修正完了です。
もう一回霧吹きで湿らせるわけですが、良く見ると主翼が紙の張力でねじれていたので、今度はねじれないように定板の上に虫ピンで固定してから乾燥させます。

写真を見ると、斜めに張力が掛かっているのが分かりますね。でも、このまま完全に乾くまで固定しておけば、主翼下面を平面に保ったままにすることが出来ます。
尾翼も両面を湿らせて定板に固定乾燥します。
ねじれが取れたのを確認して、全体にクリアラッカーを塗ります。
これでラッカーが乾いてしまえば、防湿ができるのでそれ以降の寸法の狂いを抑えられ、また、強度も出ます。
紙の繊維に塗料のプラスティックがしみ込むので、一種のFRP状態になるわけですね。

乾燥後に軽くたたくとカンカンとドラムのような音がします。
胴体も紙貼りを行いました。ここは根気ですね。小さいエリアに分けて少しづつ貼って行きます。

Guillow's カーチス P-40 ウォーホーク 翼のカバーリング

さて、下地が出来たら紙貼り作業に入ります。
これをきれいにやるのは結構難しいんですよね。

でも、勘や経験も大事ですが、まずは失敗しにくい手順が大事。という事で、バルサのフレームに紙を貼っていく手順を紹介して行きます。

今回は翼関係です。
まず貼る紙ですが、キット付属の紙ではなく、エサキ プライスパンを使用していきます。
キット同梱の紙でも貼ることは出来るのですが、日本製の和紙と比較すると若干目が粗いのと、ピンホールがあったりします。目の詰まり方や厚さの均一性、薄さや強度の面でもプライスパンが勝ります。
ちなみに左の写真の左側がプライスパン、右がキット付属の紙です。ちょっと分かりにくいかな・・・
まずは尾翼から貼って行きます。用紙はかなり大きいのですが、まずは貼る面積より若干大きめに切り出してあらかじめ用意します。
この時、紙の目(繊維の向き)が長手方向(写真では左右方向)になるように注意します。
フレーム外周に糊を塗布します。今回は扱いの簡単なスティック糊を使用しました。
水分の多い糊を使うと、紙がふやけて扱いにくくなるので私はもっぱらこういった固形糊を使用しています。
注意点としては、糊を塗布するのはあくまで翼の外周部だけで、中の小骨に塗ってはいけません。
糊を塗ったら裏返して用意した用紙の上に乗せ、上から指で軽く押して密着させます。
貼り終わったら、骨組み外周のから数ミリはみ出したところでデザインナイフで切り込みを入れます。
この後裏面に回りこんで貼って行くので、外周が曲線の部分については放射状に切り込みを入れて行きます。
余白部分に糊を塗り、断面と裏側に少しかぶるように貼り付けます。
こんな感じで片面一丁上がり!
裏面も同じように貼ります。
垂直尾翼もサクッと貼って行きましょう。手順は水平尾翼と同じです。
次は主翼です。まずは組み立て後胴体に隠れてしまう中央部上面から貼って行きます。
この時も、貼る範囲の外周部だけに糊をつけて貼って行きます。
次に主翼中央部下面、それから左右主翼下面を張っていきます。
この辺りは平面なので張るのは比較的簡単です。

貼り付けた後、外周部を数ミリ残して切り取り、上面に向かって巻きつけるように貼りこみます。
主翼上面も貼りました。小骨部分に糊をつけないのは尾翼と同じですが、曲面で構成されているので若干難しいです。
ただ、最初からピンと張った状態で貼る必要は無く、若干たるんでいてもこの後霧吹きをして紙を収縮させるため、写真の程度貼っていれば問題ないでしょう。
貼り終わったら霧吹きで湿らせ、乾燥を待ちます。
私はこのように自然な状態で乾燥させることが多いですが、この方法だと変な捩れは出にくい物の、骨組みが紙の張力に負けてゆがんでしまう事もあります。
シリアスに寸法を出すには冶具を作成し、固定した状態で乾燥させたほうが良いようです。
ちなみに、この時霧吹きで湿らせるので、バルサにまで水分がしみこまないようにあらかじめ骨組みを塗装するわけです。
霧吹き後数時間程度で紙が乾き、きれいに張ってくれました。しかし良く見ると、
翼端部にしわが・・・ここは後で貼りなおしですね。
水平尾翼も若干反ってしまいました。どうやら紙の収縮力が強すぎたようです。これも要修正ですね。









というわけで翼関係の紙貼りでした。若干失敗してしまった部分もあるので、次はしわや歪みの修正をしていきたいと思います。