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2012年9月26日水曜日

Möwe 1941 その1

メーヴェの図面を入手しました。
といっても、風の谷のナニガシが乗り回していたアレではありません。本格的な模型グライダーの設計図です。ずいぶんと古びた封筒ですが、事実、とんでもなく古いです。

どれぐらい古いかと言うと、中身の小冊子によると、発行年月日は昭和16年9月20日とあります。
昭和16年と言えば、1941年。この年12月6日に、日本は真珠湾攻撃を行い、太平洋戦争に突入して行きます。つまり、戦前も戦前、ほぼ開戦前夜に発行された”模型飛行機の設計図”です。

この頃の日本はドイツとのつながりが強く、特に航空技術の面ではドイツを目標としていた点が多かったため、この設計図もドイツで製作されたものを日本で紹介する、という形になっているようです。
小冊子の冒頭を引用すると、

”碧空をテルミークを追って快翔するソアラーは、何かしら我々に空気力学や気象学の息吹を身近に感じさせるような気がします。この魅力は、スケールをそのままで唯寸法のみを縮小した模型ソアラーにも当然求められるのではないかと思われます。模型製作と深遠な航空科学の一端に触れると言う二重の喜びをもって、諸君がそれぞれ独創的なソアラーの製作を始められる事は、大空に生きる青年の最大の歓喜の一つでなくて何でありましょう。
しかしながら、その場合熟練者は別として、一般の方々には、何事でもそうであるように、まず基本となる優秀な模型ソアラーをその設計図を見ながら制作される事が必要であると考えます。その意味で、弊社は盟邦独逸におけるその道のエキスパート、ハインツ・ザールフェルト氏設計になる高評嘖々たる高性能ソアラー”メーヴェ”を選び、その設計図ならびに作り方を御紹介する事にしました。”(旧漢字・旧かなのみ現代語に置き換え)

うわ、なんか仰々しい!けどこの時代特有の雰囲気ですね。ここで目を引く点は、少年ではなく”大空に生きる青年”に呼びかけているらしいと言う点と、最初に出てくるソアラーが実機を指しているらしいという点があります。これって、つまりパイロット候補生向けと言う事なんでしょうか?
当時の学校教育では今からは想像できないほど熱心に模型飛行機に取り組んでいたので、単に一般の青年に向けられた物なのか、大空に生きるという特殊な立場にいる青年に向けられた言葉なのかはいまいち判然としません。

また、テルミーク、とはあまり聞きなれない言葉ですが、これはおそらくドイツ語でthermisch、英語で言えばthermal、つまりサーマルの事のようです。
またメーヴェ、という名称ですが、これはドイツ語でかもめという意味で、グライダーにつける名前としては比較的ありきたりと言うか、順当な所ではないでしょうか。

取り合えず今日はここまで。明日以降内容を紹介して行きます。

2 件のコメント:

  1. なにやら、凄いお宝のようですね。。
    何が出てくるのか、興味津々です。。

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  2. なんかもったい付けまくってて申し訳ないです。(笑)
    これ、来歴からしてかなりレアだとは思いますが、内容も驚くべき代物ですよ。

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