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2012年7月20日金曜日

模型飛行機の製作で重要な事 1:重量の削減

Guilow's P-40の製作もひと段落して記事の更新が滞っていましたが、しばらく模型飛行機一般についてのお話をしたいと思います。

まず、今回は重量についてです。

飛行可能な模型飛行機、特に動力の限られたゴム動力機やグライダーでは、良く飛ぶとは滞空時間が長い事を指します。

ラジコン飛行機などは、バッテリーや燃料の続く限り飛行を継続できます(もちろん、墜落させない腕が有っての話ですが)ゴム動力はそんなに長時間動力を供給する事はできませんし、パワーも非常に限られています。
また、グライダーに至っては、発進時に手投げまたは曳航、あるいはゴムによるカタパルト(パチンコ/スリングショットのようなもの)で与えられた初期加速と、重力による滑空速度の維持だけが頼りです。

このため、限られた推進力を最大限に活用し、初期動力が尽きる前になるべく高度を稼ぐ必要があるフリーフライト模型飛行機は、重量を可能な限り軽くする事が要求されます。

ただ勘に頼って軽量化するのもそれはそれでひとつのやり方ですが、最近はAmazonなどで超精密はかり(0.01gまで計測可能)が安価で(2000円以下)入手できるので、この前作成したP-40と、対象としてWhiteWingsの大型機であるRacer590を計量してみました。

これが超精密はかりです。このはかりは本来宝石などの重さを計測するための物のようで、非常に小さく、マッチ箱程度の大きさしか有りません。
このままでは飛行機を載せるのには余りにも小さいため、簡易スタンドをスクラップバルサで作成しました。

スタンドの重量は、風袋機能で相殺できます。スタンドを載せた状態で0点出しをしたのが左の写真です。物差しも写しこんだので大体の大きさも分かると思います。

まずはGuillow's P-40の計量です。
Guillow'sの機体は重いため、余り良く飛ばない、と言うのが定説ですが、ポイントを抑えて軽量化する事でバラストなしで重心を取ることが出来たので、動力ゴム込みの全備重量で27.75gと比較的軽量に製作できました。スパン419mmの機体としては合格ラインではないでしょうか。
もし、尾部を軽量化しないで製作した場合、重い尾部との釣り合いを取って、重心位置を適正化するためノーズカウル内にバラスト重りを搭載する事になりますが、設計上の重心位置はかなり機体の前寄りなので、重心位置からの距離が近いノーズにバラストを積んで釣り合いを取るためには、テコの原理により尾部の重量超過分の3~4倍のウェイトをノーズに搭載する必要があります。
ウェイトも機体重量の一部ですので、なるべくバラストを減らすことが重量軽減の上で重要ですね。機体重量が軽ければ、パワーが有効に使えるだけでなく滑空時の沈下率も抑えることができます。

元設計では軽金属製とはいえ金属の重量物である小型エンジンを搭載する事も考慮に入れたキットなので、エンジンやモーターを搭載する前提なら尾部の軽量化はそれほど必要ないかもしれませんね。

今回の軽量化では、ゴム動力前提のため尾部を5g程度軽量化したことで、機首のバラストを15g程度削減でき、さらに脚を省く事で5gは軽くなっていると思います。合わせて25g程度の重量削減です。
つまり、普通に組む場合と比較して、重量は半減するところまで持っていけたわけです。これは飛行が楽しみですね。これがGuillow'sのキットか?という飛びが期待できそうです。

ついでに比較対象として、WhiteWings(ホワイトウイングス)の大型機、Racer590も計量してみました。この機体はスパン268mmとGuillow'sのキットより一回り小さく、WhiteWingsの機体としてはかなりの大型ですが、対空競技用のグライダーなので構造も非常に単純化さています。
しかし、重心あわせ後、実際に計量すると、17.11gもありました。
接着剤(この手のキットはセメダインCに限ります。張り合わせ直前に指で伸ばしてから素早く圧着するのが味噌)が生乾き状態ですが、まだクリアでコートしていないのでこれは飛行コンディションの重量に近い物でしょう。

Guillow's機はこれだけ複雑な構造を持ち、弱いながらも動力も搭載し、しかもサイズも一回り大きいにもかかわらず10g程度しか差が出なかったと言うのはなかなか満足すべき結果だと思います。

ちなみに、WhiteWingsのグライダーは、Guillowsのキットを飛ばす際に、風を見るために使用しますので、飛行場には両方を持って行き、まずはグライダーで風向きを見るために作成しました。

製作も簡単ですし、ロストしても単価が安いので余り心が痛みません。無くしたらまた作ればいいですしね。それに墜落してもたいていの場合は平気です。

ちなみに、過去WhiteWingsのキットはAG社が扱っていましたが、今はAozoraという会社が扱っており、一事の品不足は解消しているようです。
AOZORAのサイトはこちらになります。
Amazonでも購入可能です。

いきなりスケールモデルは敷居が高そうと言う方は、是非WihteWingsのグライダーキットを購入してみてください。一晩で製作でき、調整が決まれば30秒以上の滞空も可能な高性能機ぞろいですよ。

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