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2012年7月21日土曜日

模型飛行機の製作で重要な事 2:軽く作れば良く飛ぶ、その理由

前の記事では、模型飛行機を作る際に重要な事として重量の削減を挙げましたが、そもそも飛行機はなぜ軽くなくてはいけないのでしょうか?

飛行中の飛行機には、左の図で示した4つの力が働いています。
機体を加速させる推力、機体を減速させる抗力、機体を持ち上げる揚力、機体を落下させようとする重力が4つの力の正体です。

このうち、推力と抗力、揚力と重力が釣り合っている場合に、飛行機は水平に一定速度で飛行できます。

これが飛行機が飛ぶ、という事です。

重力と抗力について言えば、この力は飛行機でない普通の物体、たとえば石ころを投げた場合でも働いていますから、飛行機がそれ以外の物と異なるのは、抗力と重力に対抗できる推力と揚力を発生させる事ができる点にあります。

基本的に推力はエンジンやプロペラ等の動力によって決定され、揚力は速度と翼と迎え角によって決定されます。さらに抗力は速度と迎え角と機体形状によって決定されます。


しかし、重力については他の要素とは関係無しに、機体重量のみに決定されます。

フリーフライトの模型飛行機では、飛行中に推力や迎え角を変更する事は難しいため、飛行前の調整のみによって推力、揚力、抗力を決定する必要がありますが、これと釣り合う力としての重力は、重りを追加する事で増加させる事は可能でも、飛行前調整の段階で重量を削減する事は容易ではありません。

また、重力が大きければ、大きな揚力が必要となり、大きな揚力は大きな抗力を発生し、これに対抗するために大きな推力を必要とし、大きな推力を発生させるためには強力な動力が必要になり、重量が増す、という様に、非効率の輪にはまり込んでしまいます。これでは限られた推力で飛行する、という目的は達成できません。

このため、模型であっても実機であっても、飛行すると言う目的を達成するためには、製作段階で可能な限り軽量に機体を作る必要があります。

軽量な機体を作るためには、骨組みその他の部材になるべく軽量な材料を使用し、必要な強度を満たした上でなるべく細く、薄くする事が求められますが、墜落や衝突に耐えるほどの強度を想定してしまうと重量が増し、墜落・衝突時の衝撃も増すのでさらに強化が必要となり、するとさらに重量が増し・・・とまたしても非効率の輪にはまってしまいます。このため、基本的には飛行に必要な最低限の強度を狙って軽量化していく事になります。

この強度の確保については、工学的に計算する方法もあり、実機では厳密に計算されていますが、模型飛行機の場合は部材であるバルサ材自体の強度も一定ではなく、また小さな部材を手作業で組み立てて行く都合上、厳密な強度計算ではなく、これぐらいなら大丈夫だろう、という勘によって決定される場合がほとんどです。

このため、何機も作っては飛ばし、壊しては直しで勘をつかんで行く必要があるわけです。しかし、一から自分で設計する場合と異なり、キットを組み立てると言う形であれば、既に大筋では最適に近い設計がなされているため、そのまま作ればたいていの場合は飛行可能な重量に収まるはずです。

とはいえ、組立てキットであれば更なる性能向上を求めて軽量化や強化をする事も製作者に任されているとも言えるので、ここに手を加えてさらなる性能向上を図ることが模型飛行機製作の醍醐味の一つと言えるでしょう。

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